クーリングオフの法定書面

事業者から法定書面の交付がなければ,8日過ぎてもクーリングオフ可能

事業者が消費者に法定書面を交付しないで若しくは虚偽の説明をして又は禁止行為を行った場合は厳罰の対象に。

 

 法定書面には,何を売るのか,いつ引き渡すのか,いつからサービスを提供するのか,さらに,クーリング・オフはこのようにするという説明書きや中途解約の方法等が明記されていなければならない。法定書面は,契約以前,消費者からの申し込み受領後直ちに交付されている必要があり,記載されなければならない具体的事項も定められている。

 
 特定商取引に関する法律には,その原則事項が定められており,不実告知(電気代がタダになる,交換不要なのに交換しなければ法令違反です等)若しくは事実不告知(本当は1g4,500円だが3,000円です,又は,すぐに壊れるのを知りながら,10年大丈夫です等)の禁止行為が合った場合には,三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処され,又はこれを併科される等の厳罰の対象になり,さらに当該事業者が法人(株式会社,NPO,合同会社等の法人格のある団体)が,営業停止等の行政処分に従わなかった場合, 当該担当者や代表者等の行為者への懲役刑の他,その罰金刑は3億円以下となる。
 

特定商取引に関する法律によれば,法定書面に記載されていなければならない事項とは,

訪問販売及び電話勧誘販売の場合

 

  1. 商品(権利,役務)の種類
  2. 販売価格(役務の対価)
  3. 代金(対価)の支払時期,方法
  4. 商品の引渡時期(権利の移転時期,役務の提供時期)
  5. 契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項
  6. 事業者の氏名(名称),住所,電話番号,法人ならば代表者の氏名
  7. 契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
  8. 契約の申込み又は締結の年月日
  9. 商品名,商品の商標または製造業者名
  10. 商品の型式
  11. 商品の数量
  12. 商品に隠れた瑕疵(一見しただけではわからない不具合)があった場合,販売業者の責任についての定めがあるときには,その内容
  13. 契約の解除に関する定めがあるときには,その内容
  14. そのほか特約があるときには,その内容

 

通信販売の場合

 

  1. 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
  2. 代金(対価)の支払い時期、方法
  3. 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
  4. 商品(指定権利)の売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(返品の特約がある場合はその旨含む。)
  5. 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
  6. 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該販売業者等代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名
  7. 申込みの有効期限があるときには、その期限
  8. 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容およびその額
  9. 商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
  10. いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
  11. 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときには、その内容
  12. 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
  13. 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス

 

連鎖販売取引(加入者が新加入者を勧誘して広げていく形態)の場合

 

契約締結前

 
契約の締結前には、当該連鎖販売業の概要を記載した書面(概要書面) を渡さなくてはなりません。「概要書面」には、以下の事項を記載することが定められています。
 

  1. 統括者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  2. 連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には、当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  3. 商品の種類、性能、品質に関する重要な事項(権利、役務の種類およびこれらの内容に関する重要な事項)
  4. 商品名
  5. 商品の販売価格、引渡時期および方法そのほかの販売条件に関する重要な事項(権利の販売条件、役務の提供条件に関する重要な事項)
  6. 特定利益に関する事項
  7. 特定負担の内容
  8. 契約の解除の条件そのほかの契約に関する重要な事項
  9. 割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
  10. 法第34条に規定する禁止行為に関する事項

 

契約締結後(遅滞なく)

 
契約の締結後には、遅滞なく、契約内容について明らかにした書面(契約書面)を渡さなくてはなりません。「契約書面」には、以下の事項を記載することが定められています。
 

  1. 商品の種類、性能、品質に関する事項(権利、役務の種類およびこれらの内容に関する事項)
  2. 商品の再販売、受託販売、販売のあっせん(同種役務の提供、役務の提供のあっせん)についての条件に関する事項
  3. 特定負担に関する事項
  4. 連鎖販売契約の解除に関する事項
  5. 統括者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  6. 連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には、当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  7. 契約年月日
  8. 商標、商号そのほか特定の表示に関する事項
  9. 特定利益に関する事項
  10. 特定負担以外の義務についての定めがあるときには、その内容
  11. 割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
  12. 法第34条に規定する禁止行為に関する事項

 

訪問購入の場合(貴金属や貴重品等を突然訪問され安価で買われた等)

 

  1. 物品の種類
  2. 物品の購入価格
  3. 代金の支払時期、方法
  4. 物品の引渡時期、方法
  5. 契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項
  6. 物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項
  7. 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
  8. 契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
  9. 契約の申込み又は締結の年月日
  10. 物品名
  11. 物品の特徴
  12. 物品又はその附属品に商標、製造者名若しくは販売者名の記載があるとき又は型式があるときは、当該商標、製造者名若しくは販売者名又は型式
  13. 契約の解除に関する定めがあるときには、その内容
  14. そのほか特約があるときには、その内容
  15. このほか相手方に対する注意事項として、書面をよく読むべきことを、赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。また、クーリング・オフに事項と物品の引渡しの拒絶(法第58条の15)に関する事項についても赤枠の中に赤字で記載しなければなりません。さらに、書面の字の大きさは8ポイント(官報の字の大きさ)以上であることが必要です。