Q:中途解約とは,

 
A:契約(法定書面を受領)した後,「9日以上経過」して,かつ,未だサービスを受けていない場合,又は既に一定のサービスを受けた場合に,法令で定められた最大損害賠償額を支払い,当該契約を将来に向かって解除できる,法令で保証された消費者を守る為の制度です。

エステ解約,エステのクーリングオフ,エステの中途解約。中途解約による返金額を正確に計算します。

皮膚を清潔にする,美しくする,体型を整える,体重を減らすと称するサービス。

 

複雑な契約形態,これに減額ポイントサービス等が付加してさらに複雑に,,

 
 エステの契約書,申込書,関連商品購入申込書等は,独自のポイント制度と合算され,他の一般的な契約に比べて精算が複雑になっている場合があります。 
  
 これまで,さまざまな様態の契約書,アンケート用紙,ポイント規約書等を拝見させて頂きました。
 
 しかしながら,中途解約したい時は,もう解約したいものです。
 

1. 体験モニター,体験コースにつられ,ついつい契約してしまった。
2. 新たな契約を迫られ,サインしなければ帰れないと思った
3. とにかく,もう効果が期待できないから辞めたい
4. あきたから辞めたい
5. 施術が気に入らなくなったからもうやめたい。

 
等が主にあげられ,いずれも,中途で解約できます。
 
 契約形態によく存在するのは,会員特別割引,ポイント充当など,美肌・美顔・痩身等の複合契約,又は各部位別契約に関連商品購入契約等が付加されている点で,いくら返金請求できるか,計算が複雑になる場合があります。
 
 やめたいと考え,カスタマーセンターに連絡しても,それが担当者に伝わり,かえって気まずくなった事案もありますし,カスタマーセンター等には,こういわれたら,こういうといったノウハウがあるものと考えられます。 丸め込まれる可能性もあります。
 
 もちろん,法定書面を交付されて(契約してから)8日間以内であれば,解約の旨を適正に通知することにより,クーリングオフ制度が適用されて,全額返金を受けられます。 
 
 契約形態,部位別の複雑的契約,施術に関係がある・使用するからとして,購入するしかなかった関連商品の返品返金は,一契約ごとに個別・具体的に算出し中途解約による未施術分に忘れず合算して計算しましょう。
 

 エステサービス等のように,長期継続的な役務の提供とこれに対する高額な対価の支払を約する契約の場合に,その「長期間=(1か月以上の)」継続的な一定回数の役務を提供できるとする期限と,中途解約による返還金を請求できる期限は,全く意味が異なる。 
 前者は,当該事業者と消費者が当該サービスを当該期間に契約回数の分のサービスを提供して受けられるとするサービス提供期間であり,後者は契約解除による損害賠償請求金額とサービスを受けなかった回数分の返還金の問題である。 
 当該一定回数を消費者が受けられる期間を,例えば1カ月間で4回,3回しか受けなかった場合の残り1回分は来月から受けられなくなってポイントが自動的に減少する,との旨の合意があったとしても,後に消費者が中途解約する際に返金されるべき「未施術分」の計算の対象にならない,とは当然にはならないと解され,中途解約する消費者は,施術受領期限を過ぎた未施術分を,中途解約時の返金計算の対象になる未施術分として返金請求できます。

 

最近ではメンズエステ,メンズ美肌,メンズ痩身,メンズ脱毛等といったサービスが,

 
 エステの契約に不慣れな男性も,無料サービスを見てお試しコース等に参加する機会がある。
 契約する前に,契約書を確認する時間を持つことが大事だ。 既に,9日間を経過していて,サービスに不満を持ったり,大きな金額を支払済みで次回予約の勧奨を断りにくいというような事情がっても,消費者を保護する本制度が適用される。
 

エステティックサロンの中途解約適用可能条件

 

契約後9日以上経過していて,未だ,サービスを受けていない場合

1. 適応契約期間:1か月を1日でも超えていること。
2. 適用金額:5万円を1円でも超えている契約であること。
 
 事業者がお客さまに請求できる最大損害賠償額:20,000円 だけであり,支払済みの金額は,20,000円を差し引いて全額返金請求可能だ。(未だ8日以内であれば,当該20,000円を差し引かれることなくクーリングオフする事が可能である。この場合,既にサービスを受けていても全額返金請求可能。)
 

契約後9日以上経過していて,既に何度かサービスを受けている場合

 
 契約から9日を経過し,かつ,1回以上サービスを利用した後である場合,事業者がお客さまに請求できる最大損害賠償額は,以下のaとbの合計額になる。
 
a. 今までサービスを受けた分だけの金額
 
b. 金2万円と,契約残額(入会金を含む契約金全額からaの金額を差し引いた金額)の10%に相当する金額を比べ,いずれか低い額。
 
 
 このa と b の合計額事業者に支払えば,後のローン等は支払い義務がなくなる,という制度が中途解約制度です。
 
では,具体的に計算例をみてみよう。
 

エステティックサロンサービスのクーリングオフ計算例・計算方法

 
入会金  20,000円 だったとし,
 
施術料 500,000円÷50回=10,000円/回  ・・・1回10,000円とする。(a)
 
契約後8日以内で,まだ1度も施術を受けていない場合。(又は何度が受けていた場合でも,問答無用で)
 
入会金20,000円+500,000円=520,000円
 
 
よって,520,000円全額の返金請求が可能だ。
 
 

契約後9日間以上が経過,5回施術を受けている場合は,

 
サービスを受けた分
(契約後に受けたサービスの対価に相当する金額)
 
5回×@10,000円(1回分のサービス料)=50,000円
・・契約後に受けたサービス料は,全部で50,000円・・(a)として,
 
特定商取引法第49条,特定商取引に関する法律施行令 別表4から,
20,000円と残金の10%で安い方を業者が消費者へ中途解約時に
請求できる損害賠償額として算定します。
 
((入会金20,000円+500,000円)―上記(a)50,000円)
×10%=47,000円
 
20,000円と47,000円を比べれば,20,000円の方が少ないから,
20,000円が業者が消費者へ中途解約時に請求できる
損害賠償額となります。・・・・(b)とします。
 
(サービス料5回分の上記(a) 50,000円)+
(損害賠償額上記(b)20,000円)=70,000円
 
中途解約したい場合には,70,000円を消費者が負担して精算することになります。
 
(入会金20,000円+500,000円)―最大損害賠償額70,000円=450,000円
 
よって,入会金20,000円及び
施術料500,000円を支払っていれば,
 
450,000円を返還請求できるようになります。
 
内容証明郵便で送達する法的効果としては,
まず,
①解約という効果を確定できる。
②この450,000円の請求権を5年間行使できる。
 
という事になり得ます。