投資マンションの解約,投資マンションのクーリングオフの根拠になる投資不動産の利回り利率には,算出方法が大きく分けて二つある。
購入後の,実質的管理費用が含まれていなかったら?リスクを低減する投資不動産の選定方法とは,,,。原則,投資マンションのクーリングオフや,投資マンション不動産の解約は,契約した場所,様態,重要事項の真実性で大きく異なることになる。
投資マンションを購入手続きしたけれども,解約したい,若しくは,クーリングオフをしたいと考えた理由は何だろうか?
最も大きな理由は,期待はずれの利回り率,隠れた故障ではないだろうか。思わぬ修繕費や維持費,空室が利回り率を引き下げる。
もちろん,法定書面を交付されてから(契約してから)8日間以内であれば,クーリングオフの通知をすることにより,理由の如何を問わず,解約することができ,支払ったお金の名目を問わず,全額返金されます。 宅建業法には,「法定書面(重要事項説明書)の交付がされてから8日以内」であれば,宅建事業者の事務所以外の場所において申込をされた場合には,クーリングオフが可能と規定されている。
また,手付金は契約金額の20%以内と定められており,まだ具体的に契約に必要な事務が進行されていない場合に,これを放棄して解約することが可能です。
この手付金以外の費用を支払う必要は原則としてない。
中古車を購入した事があれば,気が付くことがある。
車検切れであれば車検費用を負担した後でなければ運転できない,
クラッチの効きが悪ければ交換し,ラジエーターを修理し,
メンテナンス費用の負担は,新車を購入する場合に比べ確率が高く,事故車であることが後に判明したり,走行メーターが一回転していたりと,様々なリスクがある。
新車に比べ,中古車は付加価値がある場合を除いて低額だが,新車の場合,車検は2年間不要だ。 もちろん,中古車販売会社のサービスによって,目に見えなかった故障について,これらを一定期間は保証される場合もある。
ところが投資マンション不動産では,お客様のご都合だけで修繕できない場合も存在するのだから,リスクを認識することが重要である。
算出式から高利回り率の根拠とリスクを考察してみよう。
1. 単純な利回り年率計算式で広告されている場合がある。
不動産の利回りとして一般的に広告されているものの一部には,下記1の計算式だけから算出されているものが多々見受けられる。
この計算式を基礎として,
比較検討している投資物件がA,B,Cの3つの物件としよう。
A:利回りZ=5% X=3,000万 Y=6億円 築25年 マンション
立地: 東京都新宿区 JR新宿駅 徒歩20分
B:利回りZ=10% X=3,000万 Y=3億円 築25年 マンション
立地: 岩手県盛岡市 JR盛岡駅からバスで20分 徒歩5分
C:利回りZ=8% X=3,000万 Y=3億7千百万円 築9年 アパート
立地: 東京都東久留米市 西武池袋線 ひばりが丘駅 徒歩15分
まず,物件AとBを比較しながら,1式を見てみれば,同じ年間家賃収入でも都心にある物件の方が土地の値段が高額であることは常識的に明らかだ。
Zの利回りは,都心にある物件の方が理論的に低くなるということ。
ということは,原則として,立地の異なる同じ年間家賃収入を期待できる同構造の二つの物件を比較した場合に,利回りが高い方が立地条件が悪い,満室が見込めない等,何らかのリスクが高いことが予想されるという事だ。
そこで,物件価格を求める式に変換してみよう。
2. 1式を物件価格を求める式に変換すると,利回り利率から隠れたリスクが想定できる。
2式のように物件価格 Y を求める式にして分かる事は,同じ年間家賃収入 X 万円のA,B物件を比較して,
分母の利回り利率 Z が低ければ物件価格が高額となり,利率が高ければ物件は安くなるという事だ。
よって,利率が高く,物件が安いということは,その分,購入しやすい,投資して儲けることができるとの動機を持ちやすいものだが,公共施設やスーパー,学校に遠いとか,若しくは深夜街に近く,煩い等,何らかの立地条件が良好ではない,という可能性が高くなり,リスクが高いと想定できる。
立地が良ければ,将来,全棟販売することも,入居者の満室も見込める。 しかし,駅から遠い等立地が悪い場合には,社会経済に影響されやすく,満室の入居者や,将来の全棟販売も困難と予想される。
利回り率の高い物件を求めるというのは,高リスクな投資物件を探している,という事がこれらの式から理解できる。 例えば,災害時に液状化しやすいのかどうか,都市計画があって工事が止まっているだけではないか,若しくは物件のすぐ近くで都市計画があって,将来大きく環境が変わる可能性が高いのかどうかは基本的に確認すべきである。
販売時には満室だった入居者が,登記完了後,全員退去した。という事例も過去にある。お気づきのように,この入居者と称していたのは,全室「さくら」だった可能性が存在した。
では,購入時の経費や,年間の維持費を考慮して計算できる式にしてみよう。
3.現実的な費用を算入してみると,実質的な利回りは求められる。
※1 家賃+共益費収入+駐車場収入
※2 年間諸経費=管理会社費用+維持費+公租公課(固定資産税+都市計画税)+損害保険料+雑費
この3式によって,プロの投資家は判断のベースするが,この式で検討しても,
地震や災害による修繕リスクは事前に算入できない。
瑕疵担保という制度も法で定められ,2年間は隠れた故障,隠れた不良を賠償する責任を当該販売者側に問うことは可能だ。 現実には,問う事と,現実的に損害全額の補償を手にする事とは別な次元の話になる。 設計者,施行業者等が責任んお所在を明らかにしない。
中古車のように,パーツを取り換えれば解決する,という問題だけでは留まらず,地盤の液状化対策未施工による建物の傾斜や,鉄筋の不足等が判明すれば,大規模修繕だ,建て替えだ,という事態に発展し,責任の所在はどこにあるのか,といった泥沼紛争に発展する場合もあります。
投資は,一つの経営である。
ランニングコストを低減するのも大事な要素だ。 物件の構造を実際に確認し,耐火,耐震構造であれば,保険料を低減できる。
修繕も,自分で修繕できれば,人件費を抑える事が可能だ。
不動産会社に全てを任せず,自ら内装・工事業者等と折衝することで,不動産会社が取る管理費を削減できる。
建物は,経年劣化する。 これによる家賃の減額請求リスク,周囲の物件と家賃競争にも耐えられる物件である必要がある。 ランニングコストを購入時に正確に判断するのは困難だが,それでもなおリスク回避の為,資料以外の現場の入念な確認が必要だ。
Cの物件は,アパートですので,エレベータの管理費が不要。
周囲には公団があって,宣伝効果もチラシの配布程度で期待でき,空室リスクが低い事になり得る。
新建築基準法に準じて建設され,保険料が安いというメリットもある。
このように,諸経費や購入時の登記費用,銀行ローンの利息等も算入し,さらに構造も,周辺環境も確認して,判断すべきだ。
そうすると,広告にある「利回り12%」だけに飛びつくことなく,冷静に考察する必要があります。
高率利回りは現在出ていないけれども,どこに問題があって,その問題は,如何にして解決が可能で,もう少し手を加えて解決できれば,2%UPを図れるか,期待できる物件を探す,との観点で探すのも妥当だ。
経費を算入すれば,宣伝広告にある利回りよりも2~3%落ちる。 もっとも,満室になった時の算定である。
大きな組織で毎日投資不動産物件を全国規模で調査している会社には,個人ではなかなか勝てない,というよりもむしろ,現実的には,高率利回りを期待できる優良物件は,「現在,売りにでていない」という事を念頭にすべきなのかもしれない。
太陽光発電システムの購入設置の場合と同様に,購入目的が,お客様の節税若しくは相続税対策であれば問題にはならないが,経済的効果を目的とする投資であれば,このようリスク低減努力は欠かせない。
不動産会社の事務所以外で契約した場合には,投資不動産,投資マンションに関わらず,8日以内であればクーリング・オフが可能です。
さらに重要事項説明に上記のように,話が現実違う部分が,契約意思決定の重要な要素になっていた場合,すなわち,それを知っていれば当然に契約しなかった程度の美辞麗句を逸脱した過大な表現があれば,これを理由に解約が可能だ。
契約して書面を交付された日から,8日間を過ぎていても,クーリングオフ制度を利用しなくても,このように解約できる場合がある。
受領している書面や契約時の状況をよく確認する事が大切だ。
それでも解約できない場合には,販売価格の2割を支払い,若しくは支払済み手付金を放棄して,解約することができる。
仮に支払済み手付金を,販売価格の2割以上の額を支払っていれば,2割を超過している部分につき,返金を受ける事が可能だ。
そもそも投資マンション,不動産を購入できる力のある方は,一般常識や相当の判断能力を兼ね備えておられると考えられる。
リスク,リスクとリスクばかりを検討していれば,何もできないが,そもそも利潤の追求には,リスクは付き物。
そこで,できる限り余計なエネルギーを後に費やさない様に,壁裏まで確認するつもりで,物件を選定し,あとで後悔するような事実が発覚した場合には,費用対効果を総合的に比較検討し,最終的に,解約できるかさらに調査して,重要事項説明と現実の異なる部分を証明し,決断をするべきだ。
当職は,宅地建物取引士の資格も保有しているので,ご契約の経緯の情報を頂く等すれば,相応の判断を迅速にできます。 判断に迷ったときは,是非一度チェック機能としても相談してください。