Q:マンション・不動産・社債や未公開株の強引なセールス,威迫的,欺罔的な投資勧誘に遭っているが,断りきれない,,,お金を支払ってしまったけど,取り返したい。

 
A:現に勧誘を受けていて本心では断りたい場合,法的根拠を示した明確な文書で拒絶すること。
妥協して購入し,キャンセルしたい場合やお金を取り戻したい場合,8日以内ならクーリングオフで,8日過ぎても契約無効により返金を受けられる場合がある。

詐欺的投資商法の解約,返金請求

投資・権利等の詐欺被害金の返金・回収には,速い対応が必要。

相手方の所在・連絡先を確認,証拠の確保,行政上の営業許可を確認。

国民生活センター等,消費者行政がとっているデータによれば,一定の年で,およそ16,000件の被害があったとされている。 短期広域的な被害多発状況から相手方の事務所,連絡先を確認しておくことが解決への近道だ。

 

1. 投資的勧誘

 マンション投資,有価証券(株式や公社債,未公開株,ファンド持分等)・デリバティブの販売・勧誘,顧客資産の管理又は投資助言若しくは投資運用を業として行うには,原則として当該業務を行う事業所を管轄する財務省各財務局からの,第1種又は2種金融商品取引業の登録を受け又は適格機関投資家等特例業務の届出,投資助言・代理業(投資顧問業),投資運用業,金融商品仲介業の登録を受けていることが前提となる。
(※上記例では,契約後10日間はクーリングオフ可能)
 
 温泉付有料老人ホームの利用権利,天然ガス施設運用権,外国通貨投資,水資源・鉱山・天然ガス施設運用権,CO2排出権,ips細胞特許権等といった一定の投資商品を売買する場合,原則として「特定商品等の預託等取引契約に関する法律」の適用を受ける。
(※上記例では,契約後14日間以内はクーリングオフ可能)
 
 営業の届出若しくは営業許可を取得していなければ,そもそも当該個別業法において厳罰fが規定されていますし,金融商品取引当該商品の性質,業態よっては,出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律も関係する。
(無許可営業:五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金,又はこれを併科)。
 商品の存在自体が欺瞞的な営業には,刑法上の詐欺罪(第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は,十年以下の懲役に処する。)の問題が発生しますが,立証しなければならない要件が異なり(詐欺罪立証が困難),被害状況及び公益保護の観点からすれば,この点,各個別業法及びその関連法令に改正の余地がある。
 

2.商品先物取引

海外商品先物取引法は,平成23年1月で廃止,商品先物取引法に一元化されている。
 トウモロコシや大豆等の穀物,金・銀・アルミニウムの鉱物や石油等の将来のある一定の価格での取引の保証する先物取引においては,農林水産省・経済産業省へ商品先物取引業の営業許可を取得している必要がある。(無許可営業:三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金)

業務の形態,商品によっては,特定店頭商品デリバティブ取引業,商品投資顧問業者の登録が必要だ。
 
商品先物取引法への改正後は,プロとアマチュア別の規制を導入し,
経験1年未満の事業者には,
 
・適合性の原則
・両建て取引の勧誘禁止
・広告等の規制
・勧誘受託意思の確認
・説明義務
・書面等の交付
・不招請勧誘の禁止(新設)
・勧誘目的を明示しないセミナ等の禁止(新設)
 
を設け,主な行為規制の原則として,
・顧客財産の分離保管
・のみ行為の禁止
・断定的判断の提供禁止
・迷惑勧誘の禁止
・仕切り拒否の禁止
・差玉向かいに係る説明義務(新設)
・作為的相場形成の禁止(新設)
 
を設けている。
 
 当該事業者が行政庁の営業登録や許可を受けているか確認し,最も速く解決につながる法令はどれかを確認できます。 被害に遭いそうだと気づいた時,
 早期解決への重要な手がかりとなる基本的な事項として,
 
相手方事業者の
 
① 会社の名前
② 所在地
③ 電話番号
④ 振り込んだ銀行名 支店名 口座番号 名義人
⑤ 担当者氏名
⑥ 携帯番号
⑦ 営業登録の有無
 
のいずれか一つでも,落ち着いて,確認していることが肝心だ。
 

3. 最近の被害状況から

 
 全国の消費生活に関する苦情・相談をデーターベースにした国民生活センターの全国消費生活情報ネットワーク・システムによれば,一つの事業者による同一の被害が3か月間から4か月間の間に集中し,かつ関東・中部地方を中心に38%前後,その他,北海道・東北,近畿,中国,四国,九州・沖縄に16%前後の被害が拡大していることが把握されています。
 さらに内閣府の消費者委員会の平成24年の調査によれば,47都道府県親日20政令市の消費者行政担当課に対する実態調査において,この被害が地域的に拡大している事に加え,当該事業者の行方が不明で違法性の立証が困難な事により,行政上の対応が合理的になされなかったとする事案は50%とされております。 実に消費者被害の半数は,未解決のままという解釈できます。
 
 このデーターベースによる詐欺的投資勧誘に関する相談件数を見れば,平成21年度には,5,194件,平成22年度は11,801件,平成23年度は21,751件,平成24年度には16,572件となっており,当該被害金額は500万円以上が23.4%を占めております。
 
 単純に計算してみれば,公表されていないが,総被害額は336億円5,700万円以上であり,未解決被害金額は150億円以上であることが窺えます。
 
 平成23年度の日本国内国民所得は346兆円,人口1億2,774万人,一人当たりの国民所得は,271万円,そうするとこの被害金額は,国民5千人分の所得に相当し,その殆どが3~4か月間の短期間で実行されているとも読み取れる。
 
 事業者の連絡先が,お客様への当該行為後に不明になるケースは,その被害事件のおよそ50%を占めているのですから,如何にその所在確認が事件解決への鍵になる重要な要素かということがご理解頂ける。
 
 これには,それまでの商業登記法における制度そのもの(役員等の本人確認書類が登記時に不要であったこと)が起因していたことも否めず,会社設立時の取締役,代表取締役の印鑑証明書を添付して申請するが,設立後,それらの取締役らの住所変更若しくは辞任登記時に,法務局は住民票若しくは印鑑証明書の添付を義務づけていなかった。
 
そこで,
(法務省:登記-商業・法人登記HPより引用)
 

役員の登記の添付書面・役員欄の氏の記録が変わります(平成27年2月27日から)
平成27年2月3日(火)に商業登記規則等の一部を改正する省令が公布されました(施行日:同月27日)。
この省令の施行により,
平成27年2月27日(金)から,
 
1 役員の登記(取締役・監査役等の就任,代表取締役等の辞任)の申請をする場合の添付書面が変わります。
 
2 商業登記簿の役員欄に役員の婚姻前の氏をも記録することができるようになります。
 
《改正の内容》
平成27年2月27日(金)から,
 
(1) 株式会社の設立の登記又は役員(取締役,監査役等)の就任(再任を除く)の登記を申請するときには,本人確認証明書の添付が必要となります。
(改正後の商業登記規則第61条第5項)
 
(2) 代表取締役等(印鑑提出者)の辞任の登記を申請するときには,辞任届に,当該代表取締役の実印の押印(市区町村長作成の印鑑証明書添付)又は登記所届出印の押印が必要となります。
(同条第6項)

(引用おわり)
平成27年2月に商業登記規則などの一部を改正する省令が公布されることになり,要は主要な役員が就任する時,辞任する時は公的機関が発行した本人確認書類の添付が必要になったということだ。
住所変更登記の際の添付資料に本人確認書類が未だに必要ない事には疑問が残るが。
 
 平成20年の特定商取引に関する法律(昭和51年6月4日法律第57号。以下「特商法」という。)の一部改正における一部の業種が特商法適用の除外を受けたのは,当該除外を受けた業種のそれぞれの個別業法によって,消費者の保護,業者への指導,処分,是正措置が可能であり,一定の強制力,行政庁の執行力によって被害に対する救済が可能であると認定されたはずなのであり,これによって各省庁,行政自治体,警察等の執行機関が,業者の行為範囲に関わらず(管轄か管轄外かを問わず)機動的に連携のとれた執行をしなければ,改正の趣旨が没却してしまう。


 上記の内の1から7の内一つでも業者側の情報をお客様が把握していれば,迅速に相手の所在地その他救済の為の情報を確認する事が可能であり,相手方へのそれなりの法的な請求,催告又は警告書等を作成をして,お客様の被害の救済,問題及び民事トラブルを速やかに解決できるよう寄与しています。
 悪質な場合には,当該法令に基づき,管轄行政庁(財務局)等への行政処分・指導の申立て,関連行政庁にかかる個別業法によっては当該事業者の処罰に時間を要する場合,消費者契約法の当該条項に基づき,事業者との間にした契約の無効による全額返金請求書の作成,事件の悪質性によっては,それらを管轄する法律に基づき,所在地の確認,証拠の確保と同時に,管轄警察署への被害届・告訴状の作成をしています。
所在地が不明でも,ある程度の情報があれば,弊事務所では,東京都公安委員会に探偵業の営業にかかる届出を平成19年からしています(成田新一法務探偵事務所第30160229号),所在地の確認,証拠の確保等のサースを提供し,必要な証言等の出廷協力を致します。