Q:マンション・不動産・社債や未公開株の強引なセールス,威迫的,欺罔的な投資勧誘に遭っているが,断りきれない,,,お金を支払ってしまったけど,取り返したい。

 
A:現に勧誘を受けていて本心では断りたい場合,法的根拠を示した明確な文書で拒絶すること。
妥協して購入し,キャンセルしたい場合やお金を取り戻したい場合,8日以内ならクーリングオフで,8日過ぎても契約無効により返金を受けられる場合がある。

出資金の配当請求,出資金の返還

重要な争点一つとしては,権利の購入や出資した時点で,業者が破綻状態にあったかどうか

消費者は,関連書類の保存,対応の記録を。

実在しない投機商品をあたかも実在するように,事実とは異なる説明をして出資を募った場合に,現行法では,特定商品等の預託等取引契約に関する法律の罰則として,二年以下の懲役又は百万円以下の罰金がある。

 

1. この罰則規定に該当する場合の,原則としては,

 

  1. 預託等取引契約に関する事項及び特定商品又は施設利用権の購入に関する事項について,
  2. 故意に事実を告げず,
  3. 又は不実のことを告げたのかどうか,又は当該契約の解除を妨げる目的をもつて,
  4. 関係事項について不実のことを告げる行為をしたのかしていなかったのか,

 
を確認することである。 
 
騙され方が金銭の支払いをした時期とほぼ同時期の当該事業者の財務状況に関わらず,
この罰則規定に該当するか否かは,単に当該事業者の勧誘事実,営業事実がどのような様子だったかという点であるから立証できる可能性は高い。
 
 一方,これが立証できれば,詐欺じゃないか,と主張したくなるところ,この厳罰と刑法246条の詐欺罪の10年以下の厳罰とを比較してみれば,その重みは大きく異なるのは一目瞭然だ。

詐欺罪が公判維持され実刑判決が下されるのかどうかは,

 

  1. 当該事業者が事業の破綻を認識し,
  2. 配当が不能であることを知っているのに,
  3. それ以後にさらに出資を募った事,
  4. これに騙された方が当該投機商品を,高額配当を得られると期待する程度の錯誤に陥り,金銭を支払って購入し,
  5. 当然破綻状態なのであるから配当されるはずもなく,騙された方に損害が発生した。 ということが立証される必要がある。

(その他違法性を問うに阻却されるべき事由等はここでは省略。)
 
 立証しなければならない重要な要件として,当該事業者の経営状態が既に破たん状態であったかどうかが存在し,刑務所に服役する可能性が高いのか,そうではないのか,刑法の詐欺罪にも該当するのかどうかは,当該事業者の判断の分岐点になろう。
 
 現行法では,刑の重みの差異は,間接的にではあっても,詐欺罪の構成要件要素該当だけは回避しながら遂行しようとの計画を事業者が立て安くなる,若しくは当初からこれを予定して行動する余地があるのは言うまでもない。
 
 個別業法に法の死角があっては,そもそもクーリングオフ制度の対象除外を法令で明示する趣旨は没却してしまうからだ。
 
 消費者,騙された方が,購入の意思を決定する際に,事業者から錯誤に陥られたのか,陥られたと言うよりも落ち度も大きいというべきなのか,そもそも消費者,騙された方の情報量が圧倒的に少なく,預託商品取引の特性から考えれば,事業者側への責務規定に対する罰則が他の法制度と比較検討しても,本法制度に関連する事件は巨額被害事件となっているのに軽微すぎるとも考えられる。
 
 今後主務官庁の行政指導権限の拡大及び預託商品取引における特性に準じた公正な会計処理基準の設定,業務・財務状況の公表義務及び法制度,罰則規定の抜本的な革新が必要であろう。
 
 事業者の計画・勧誘方法の違法性よりも,消費者・騙された方の過失を重視するべきではないと考察する。