Q:通信販売(ネット,カタログ雑誌,テレビショッピング,オークション等)にクーリング・オフ制度はあるか? 行政の規制は?

 
A:販売にかかる表示事項の有無,その内容,表示方法について行政規制がある。 その表示規制条件が満たされていない場合,原則として,業者の 「返品交換不可」は無効,クーリングオフが可能,満たされている場合には,返品交換の可否は業者のサービス次第になる。

カタログ雑誌通販のクーリングオフ

商品別に条件を表示する方法 + 全商品共通表示部分による表示を有効に活用する必要がある

明確といえるか,不明確かの「基準」となる表示を確認しよう。

1 共通表示部分を活用しない場合又は活用する場合における返品特約の表示方法で,顧客にとって容易に認識することができるよう表示していると考えられる返品特約の表示方法

 
図1
商品の返品特約について

返品特約全てについて,広告中の各商品の説明箇所において,明瞭な方法で,かつ,他の事項に隠れて埋没してしまうようなことがないように表示(例:商品の価格や電話番号等,消費者が必ず確認すると考えられる事項の近い場所に,商品の価格等と同じサイズで表示する,色文字・太文字を用いる等して表示するなど)をしている方法である。
 
①「返品不可」,「到着後○日以内に限り返品可」,「使用前に限り返品可」,「送料はお客様負担」等,「返品特約における重要事項」について示したマークの添付や文字での表示を,明瞭な方法で,かつ,他の事項に隠れて埋没してしまうようなことがないように表示している。
 
②または,返品特約がパターン分けされている場合に,そのパターンに応じて,「返品A」・「返品B」などの分類がなされ,それを表すマークの添付や文字での表示を,明瞭な方法で,かつ,他の事項に隠れて埋没してしまうようなことがないように表示している。
 
③「その他,返品についての詳細はご利用ガイド(○ページ)をご参照下さい。」等の表示をし,共通表示部分に表示している。
 
④共通表示部分における返品特約についての表示が,返品特約がどこに書かれているかを一見しただけで確認することができるように表示している。
 
(例:「返品に関するお知らせ」等の表題を設けて,消費者にとって返品特約についての記載がなされている箇所がはっきりしているものなど)
 
⑤「返品特約における重要事項」については,消費者が容易にその内容について認識することができるよう,その他返品特約の詳細よりも明瞭な方法で表示(例:商品の価格等と同じ文字の大きさとする,色文字・太文字を用いるなど)している。
 
 
⑥1冊または,1サイト(インターネット上のホームページ)のカタログ中で広告している様々な商品について,それぞれ異なる返品特約が適用される場合に,それぞれの商品について,いかなる返品特約が適用されるかを消費者に分かりやすく表示することで,共通表示部分との対応関係が明確である。
 
(例:共通表示部分に,「下着類(靴下を含み,色柄付きのTシャツを含まず。)は返品不可。」,「飲食料品(サプリメントは含まず。)は返品不可。」等と表示することで,どういった種類の商品が返品特約の対象となっているかが明確であるもの。)

2 共通表示部分においても,個別の商品説明部分においても,顧客にとって容易に認識することができるよう表示していないおそれがある返品特約の表示方法とは,以下の図2のようになる。

 
図2
広告中の説明文返品不可

広告中の各商品の説明箇所において,返品特約について何らの表示も行っていないものや,不明瞭に表示する方法(例:極めて小さな文字で表示するなど),または,他の事項に隠れて埋没してしまうように表示する方法である。
 
①広告中の各商品の説明箇所において,返品特約について何らの表示も行わない方法。
 
②広告中の各商品の説明箇所において,「返品不可」,「到着後○日以内に限り返品可」等の表示を行っているものの,標題を設けていない等により,その他の事項と一括して表示していることから,返品特約についての説明が埋没している方法。
 
③目につきにくいページの隅のような箇所に表示する方法。
 
④極めて小さな文字で表示する方法。
 
⑤「返品についての詳細はこちら。」等,返品特約の詳細について共通表示部分で表示していることについての消費者への案内が,極めて小さな文字で表示されているものや,数ページおきにしか表示されていない等,消費者が,返品特約について共通表示部分で表示していることを認識しづらい方法。
 
⑥共通表示部分における返品特約について,何十条にも及ぶ返品特約以外の事項を含んだ購入規約の中の他の項目と区分していない等,返品特約が埋没しているような表示方法。
 
⑦返品特約について極めて小さな文字で表示する方法。
 
⑧1冊のカタログ中で広告している様々な商品について,それぞれ異なる返品特約が適用されるにもかかわらず,それぞれの商品について,いかなる返品特約が適用されるかを消費者に分かりやすく表示していないために,共通表示部分との対応関係が不分明な方法
 
(例:共通表示部分に,「下着類,飲食料品等,購入後又は使用後に価値が極めて低下するものは返品不可。」とのみ表示しているため,返品特約の対象に肌着と同様に使用されることがあるTシャツや一般の飲食料品ではない栄養補助のためのサプリメントが入るか否か不分明なものなど,返品特約の対象となる商品の範囲が不明確であるもの。)。
 

その他の不明確な表示

 
共通表示部分が,カタログ本体と分冊になっており,カタログ本体を参照しただけで,申込みを行うことが可能な場合に,
 
①分冊が同梱されていないなど,実態上別々に流通するような方法や,
 
 
②分冊の大きさが非常に小さいことなどにより,同梱物に紛れて紛失しやすくなっている方法,
 
③カタログ本体に,共通表示部分を分冊に表示していることを記載していないため,カタログ本体と分冊の相互関係が不明確な方法。
 
 これらは,分かりにくく,不明確な表示であると判断される。
 なお,カタログ本体と分冊が広告として一体であると考えられる場合も,物理的には別の冊子に分かれていることにかんがみ,カタログ本体にも,少なくとも返品特約における重要事項についての共通表示部分を設ける等の措置を採ることが望ましいという事になり得る。